10月3日の民事執行法
10月3日(金)に受講した民事執行法のアウトプットです。
今学期は不動産執行について学びます。
- 金銭執行の意義
- 金銭執行の手続き段階
- 不動産執行の位置付け
- 不動産執行における差し押さえ
という順で今回は復習していきます。
1、金銭執行の意義
まず、そもそも金銭執行とは、執行機関が債権者の財産を強制的に換価してその代金をもって債権の満足に充てる強制執行の事です。
そして、債務者の財産を換価して金銭を取得する事により実現を図る事のできる債権が金銭債権です。
金銭執行の手続きは、対象となる財産の種類(不動産・船舶・債権及びその他の財産権)に応じて手続きが区分されています。債権者の選択により、対象となる財産の種類に応じた手続きの申立がなされます。
2、金銭執行の手続き段階
金銭執行は、差押え→換価→満足(配当等)の3段階を経てなされます。
差押えとは、金銭執行の最初の段階の執行処分として、特定の財産を執行の目的物として確保するために拘束された状態におく権力的行為です。
換価とは、差押えにより国家が債務者から収納した処分権に基づき、差押え財産を処分し、金銭化する行為です。
満足とは、「弁済金の交付」または、配当手続きによる「配当」によりなされます。
3、不動産執行の位置付け
金銭執行には、執行の対象となる財産の種類に応じて、
- 不動産執行
- 船舶執行
- 動産執行
- 債権執行
といった種類があります。
最初の不動産執行を主に学んでいくわけですが、不動産執行には
- 不動産の売却による換価代金を目的とする強制競売
- 不動産の管理による収益を目的とする強制管理
といった2つの種類があります。
この不動産強制競売が金銭執行の中心に位置づけられており、手続きが詳細に規定されています。それが不動産の強制管理や船舶執行にも準用されるわけです。
この不動産強制競売と担保不動産競売の差異にも触れて起きます。
担保不動産競売においては手続きの開始につき債務名義が不要である、という点が不動産強制競売との相違点です。担保不動産競売の手続きに関しては、不動産強制競売についての規定がほぼ全面的に準用されます(民事執行法188条)。
4、不動産執行における差し押さえ
不動産執行における差押えは、執行裁判所が強制競売か強制管理の開始決定と共に、不動産を差押える旨の宣言をする事によります。これが観念的な執行処分で、差押えの登記がなされる事により、取引の安全確保がはかられます。
差押えの効力に関しては、
- 不動産強制競売:通常の方法に従った債務者の使用・収益を妨げない(46条2項)
- 不動産強制管理:原則として差押え財産に対する債務者の使用・収益を認めない
とされています。2で債務者の使用・収益を認めないのは、管理人による不動産の管理・収益を行う必要上の理由からです。
差押えの本質的効力は、目的財産に対する債務者による処分を禁じ、目的財産の交換価値を維持する事です。
そのため、債務者は差押えられた不動産を譲渡したり、その不動産上に用益権(地上権、永小作権、地役権)や担保権を設定する事はできません。これに抵触する債務者の処分は効力を有しません。
この差押えによる処分禁止行に関して、最判昭53年6月29日百選25事件という事例があります。その中で、差押え前から対抗力有る賃借権が設定されていた不動産に対する差押えの効力発生後に、賃貸人のした賃借権譲渡の承諾は、処分禁止効に抵触しない、と判事されています。
執行債権者の満足を不当に害しなければ、処分禁止の効力は生じない、という事です。
ただ、処分禁止の効力に違反してなされた債務者の処分行為の効力は、処分自体が絶対的に無効になるわけではなく、債権者との関係で無効となるにとどまります(相対的無効)。
処分を対抗する事ができない者は、最初の差押え債権者に限るのか、その執行手続きに参加した全債権者(二重差押え債権者・配当要求債権者)も含まれるのか?という問題に関しては、最初の差押え債権者のみではなく、配当要求の終期までにその執行手続きに参加した他の債権者に対しても対抗する事が出来ない、とされています(手続き相対効)。
差押えの効力範囲に関しては、判例・通説共に、目的不動産だけでなく、目的不動産と一体をなす物、従物、及び従たる権利にも及ぶ、とされています。
東京地判昭和33年7月19日百選26事件では、建物差押えの効力は、その敷地について債務者が有する敷地利用権(借地権)にも及び、買受人は建物の所有権と共に敷地利用権を取得する、と判事されています。
今日はここまでです。
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